日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: P-010
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学術講演集原稿
新規就業者はなぜ林業を選んだのか―林業大学校修了生への聞き取り―
*泉 桂子盛岡 春風
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抄録

人工林資源が伐期を迎え、利用の機運が高まる一方、林業労働者は長期的に減少し、その高齢化も進んでいる。労働災害の発生率は他産業に比べ高く、特に岩手県は2021年の労災死者数が全国最多であった。危険な仕事にもかかわらず、森林での労働は単なる稼得にとどまらない様々な魅力があると考えられる。本研究の目的は、林業大学校修了林業新規就業者の林業志望動機を明らかにすることである。研究方法は非構造化面接法を用い、対象者の抽出は知人の紹介などによった。19~32歳の林業大学校卒新規就業者6名に就業動機等を尋ねた。就業動機は1)林業や樹木、森に興味を持った契機、2)林業大学校に入学した理由に分けて語られた。1)について4名は小学生時代までに親戚や親の友人などが林業・木材産業従事者であったこと、木や森林とふれあう直接体験が複数回あったことを指摘した。そのほか、高校在学時に林業大学校のポスターが目にとまった、就職後偶然知り合った林家の人間的魅力に惹かれたなどが挙げられた。2)は、もともとの森林への興味関心に加え、高校の進路担当からの勧め、知人・先輩の紹介があった。先述のポスター、web検索で林業大学校を知った者もあった。

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