抄録
本研究では移動ロボットを対象として人間の柔軟な状況判断・適応能力を模擬した行動決定アルゴリズムを構築することを試みた。本論文では自律移動ロボットに内在するさまざまなあいまい性に着目し行動決定機能の高度化を行うことを最終目標として実施した、1)第2章 : 高度移動メカニズム、2)第3章 : 障害物回避制御アルゴリズム、3)第4章 : 経路決定アルゴリズム、4)第5章 : 行動決定アルゴリズム、5)第6章 : 知的行動決定アルゴリズム構築用ファジィシェル、の5つの研究アプローチについて述べている。ここで提案したアルゴリズムを用いることにより、自律移動ロボットにとって重要な行動決定ルールに「人間らしい」機能を付加することが可能となる。本研究では知能ロボットへのファジィ理論のさまざまな適用を通してその応用可能性を探るとともに、ヒューマンフレンドリロボットの実現に向けて一つの方向性を示唆することができた。