地学雑誌
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ゾルンホーフェンの石切場(南ドイツ)
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2009 年 118 巻 2 号 p. Cover02_1-Cover02_2

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抄録

 ゾルンホーフェンは南ドイツのミュンヘンとニュールンベルグの中間に位置する小さな町で,その名を世界的に有名にしているのは,中生代ジュラ紀後期(約1億5000万年前)の石灰岩とそこから産出する化石である.この石灰岩は,表紙写真のように板状で緻密なためにローマ時代から壁や床などの建築材料として使用され,また1793年からはリトグラフ用の石版石としても使用されてきた.大規模な採石がされるようになると,保存のよい化石が多数発見されるようになった.そのなかでも最も有名なのは始祖鳥化石で,現在までに10標本がゾルンホーフェンから発見されている.
 ゾルンホーフェンの駅前には2008年に改築された化石展示を中心とした博物館(Bürgermeister-Müller-Museum)があり,40km西方のロマンチック街道沿いの中世都市ノルトリンゲンにはリースクレーター博物館がある.南ドイツに行く機会があればぜひ訪れてほしい地質系博物館である.
(写真・文:白尾元理)

© 2009 公益社団法人 東京地学協会
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