地学雑誌
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表紙
キラウエア火山,プウオオ火口からの割れ目噴火
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2011 年 120 巻 4 号 p. Cover04_1-Cover04_2

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抄録

 ハワイ島の南東部にあるキラウエアは世界でもっとも活動的な火山のひとつである.1983年1月3日,キラウエア火山の東リフトの標高700m付近からの溶岩噴泉ではじまった噴火は,プウオオ火口と呼ばれる砕屑丘をつくり,そこから現在までの27年間,短い休止期を挟んでほぼ連続的に溶岩を流す噴火を続けている.
 2011年3月5日14時16分,プウオオの火口底が崩壊・陥没した.それから約3時間後,プウオオ火口から西へのびる長さ2.2kmの割れ目の2個所から溶岩噴泉がはじまった.表紙は,2011年3月9日9時6分に撮影した写真で,奧で白煙をあげるのがプウオオ火口,その手前で白煙と紫煙を上げているのが溶岩噴泉の場所である.赤くみえている溶岩噴泉の高さは7m程度で,おもに南側に溶岩を流している.この割れ目からの噴火は翌10日夕方に終わった.3月28日からは,再びプウオオ火口底から溶岩が噴出し,現在は火口底を少しずつ覆っている段階である(2011年7月7日).
(写真・文:白尾元理)

© 2011 公益社団法人 東京地学協会
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