地学雑誌
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エジプトギザ大地のスフィンクス―始新世モカッタム層群の石灰質堆積岩の露頭彫刻―
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2011 年 120 巻 6 号 p. Cover06_1-Cover06_2

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抄録

 今から5000年以上前にエジプトでピラミッド文明が生まれた.その最終的な時代につくられた有名な3つのピラミッドの横に,スフィンクスが基盤の石灰岩層を彫刻してつくられた.4500-4100年前のころである.この巨大彫刻は長さ73.5m,幅6m,高さ20.22mである.地層の走向と斜交した方角からスフィンクスを眺めると,顎から下側半分の礫岩層が卓越する砂岩・礫岩の互層部と,顔から頭頂にかけての粗粒な砂岩層卓越部の二層が明瞭に識別できる.さらに砂岩層内部の斜交葉理も明瞭に観察できる.スフィンクスの鼻の部分は礫岩卓越部であるために,風化に弱く,もとの鼻の部分が欠け落ちている.ただし,後の人間による人工的な破壊という意見もある.
(写真・解説:丸山茂徳 2003年撮影)

© 2011 公益社団法人 東京地学協会
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