2013 年 122 巻 6 号 p. Cover06_1-Cover06_2
「日本橋白雨」は歌川広重(1797-1858)の喜鶴堂版「東都名所」シリーズに収められた作品で,このシリーズ中での随一の秀作といえる.江戸における最も有名な橋「日本橋」に降る雨の繊細なきらめき,そしてその奥に江戸城と富士山が描かれている.
広重は江戸(現在の東京)に生まれ,歌川豊広に入門し浮世絵を学んだ.広重の風景画はセザンヌやゴーギャンなどの世界中の多くの画家に影響を与え,現在では,広重は伝統的浮世絵師の巨匠として広く知られている.
(説明:丸山茂徳;表紙:アダチ版画研究所復刻)