地学雑誌
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短報
イロシンカルデラ内から採取されたコア試料(IrBH-2)の層序とAMS放射性炭素年代
マリア ハナ ミラブエノ鳥井 真之エドアルド ラグエルタパーラ デロス レイス藤木 利之エリクソ バリソ奥野 充中村 俊夫檀原 徹國分(齋藤) 陽子小林 哲夫
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2014 年 123 巻 5 号 p. 751-760

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抄録

 フィリピン,南ルソンのイロシンカルデラ内の地点IrBH-2で深度 50 mまでコア試料を採取し,50 cmごとに堆積物を記載した。深度 7.02~10.40 mから採取した植物片について,およそ1000~1800BPのAMS放射性炭素年代を得た。このコア試料では,ラハールや河川堆積物が多くを占めるが,上部 12 mは主として安山岩質の河川堆積物からなり,ラハール堆積物をわずかに伴う。この層準は,おそらく安山岩質の後カルデラ火山活動に対比できると考えられる。深度 12~50 mまでに12枚の降下テフラと1枚の火砕流堆積物が認められるが,そのなかの5枚の降下テフラは再堆積かもしれない。火山ガラスと斑晶鉱物の屈折率を測定したいくつかの試料は,後カルデラ火山の活動では安山岩質~デイサイト質噴出物が主であり,流紋岩質なものがわずかに伴うことを示唆する。また,流紋岩質降下テフラは,41 cal kBPのイロシン火砕流堆積物と共通した岩石記載的特徴を持ち,両者が同一のマグマに由来する可能性を示唆する。

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© 2014 公益社団法人 東京地学協会
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