地学雑誌
Online ISSN : 1884-0884
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火星の南極冠に近いクレーター壁周辺(68.5°S,1.3°E)にみられる斜面プロセスと周氷河現象(HiRISE画像ESP_038903_1115,2014年11月13日撮影)
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2016 年 125 巻 1 号 p. Cover01_01-Cover01_02

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抄録

 層状堆積岩層を切って崩壊地―ガリー―土石流錐の一連の地形が形成されており,その下端は多角形土のみられるクレーター底(写真右端)に張り出している.斜面頂部(写真左端)にも多角形土が広がる.これらの景観より,高緯度に広く存在する「氷に富む表層(永久凍土)」からなる谷頭部で(融解?)侵食が発生し,土石流の流下によりガリーを発達させ,斜面基部に堆積するという地形変化が最近も起こっている可能性がうかがえる.崖錐表面は季節的なドライアイス層で覆われて白っぽくみえる.HiRISEのホームページにGulick(2014)による本画像の紹介記事がある.写真の左右幅は約5 km.
(写真提供:NASA/JPL/University of Arizona;説明:松岡憲知)

© 2016 公益社団法人 東京地学協会
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