地学雑誌
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論説
CSAMT比抵抗探査による北海道洞爺カルデラの地下構造の解明
後藤 芳彦檀原 徹
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2018 年 127 巻 2 号 p. 139-156

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抄録

 北海道南西部に位置する洞爺カルデラは日本有数の陥没カルデラである。このカルデラの地下構造を解明するため,CSAMT法による比抵抗構造探査を行った。探査は洞爺カルデラを北東–南西方向に横断する測線上(測線長16 km,受信点17か所)で行い,カルデラ内の洞爺湖では小型ボートを用いた湖上測定を行った。データ解析は有限要素法を用いた2次元逆解析を用いた。その結果,洞爺カルデラの深度1500 mまでの比抵抗構造が得られた。洞爺カルデラの南西側には低比抵抗領域が存在し,新第三紀0第四紀の変質した安山岩であると推定される。カルデラの北東側には高比抵抗領域が存在し,新第三紀の珪化した流紋岩であると推定される。カルデラ内には均質な中比抵抗領域が存在し,軽石や石質岩片などの火山砕屑物からなるカルデラフィル堆積物であると推定される。カルデラ中央部の中島は高比抵抗領域からなり,中島がデイサイト質の溶岩ドーム群からなることと調和的である。中島とその周囲の隆起域の地下深部には低比抵抗領域(幅4500 m,厚さ1000 m)が存在する。この低比抵抗領域は,中島とその周囲の隆起域を形成した地下のマグマによりカルデラフィル堆積物が加熱され,熱水変質して形成されたと考えられる。

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