地学雑誌
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北海道・支笏カルデラのカルデラ形成期と後カルデラ期の噴出物
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2018 年 127 巻 2 号 p. Cover02_01-Cover02_02

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抄録

 北海道南西部にある支笏カルデラは,約4万6000年前の大規模噴火により形成されたカルデラである.支笏カルデラ形成時には大規模なプリニー式噴火に引き続き大規模な火砕流がカルデラの四方の広範囲に流れ下り,その一部は現在の札幌市街地付近まで到達している.カルデラ形成後,支笏カルデラの内部や外縁には後カルデラ火山として恵庭岳や風不死岳,樽前山などの火山体が形成され,現在も活発な火山活動が続いている.支笏カルデラの東麓にあたる千歳・苫小牧地域には支笏カルデラからの噴出物の好露頭が点在しており,カルデラ火山の長期的な活動推移を解析する絶好のフィールドである.写真に示した露頭は支笏カルデラから南東に約20 km離れた苫小牧市郊外の露頭で,カルデラ形成噴火の主要な噴出物である支笏火砕流堆積物の軽石流堆積物が露頭下部に露出している.それを覆って,樽前山からの3枚の降下軽石が堆積している.軽石層の間にみえる黒褐色の地層は埋没した土壌層で,噴火休止期の堆積物である.写真の遠景には,支笏カルデラの外輪山とその上に形成された後カルデラ火山である樽前山がみえる.

(写真:中川光弘;説明:中川光弘・下司信夫)

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