地学雑誌
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西オーストラリア,バーラップ半島の岩塊斜面
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2019 年 128 巻 6 号 p. Cover06_01-Cover06_02

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抄録

 赤銅色をした,太古代のグラノファイアーの岩塊が写真の丘をつくっている.丘頂高度は約30 mで,南緯20.6°,西オーストラリア州・ダンピア(バーラップ半島,ピルバラ地区)に位置する.この一帯の気候は,約8 km離れたカラサでの観測によると最高気温は48.2°Cに達し,年降水量297 mmと砂漠のようである.岩塊は節理に沿って割れ,生産されたのであろう.いずれも角張っており,大きいもので長径2 m程度である.岩塊の色は,表面に発達する砂漠ワニスに起因する.先住民アボリジニは,その表面を削って人,動物,幾何学模様などオーストラリアでもっとも多くの岩絵を残した.このため,考古学的に重要な場所を含む土地は,ムルジュガ国立公園に指定され保護されている.

(写真・説明:藁谷哲也 2019年3月20日撮影)

© 2019 公益社団法人 東京地学協会
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