地学雑誌
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大涌谷の現在
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2021 年 130 巻 6 号 p. Cover06_01-Cover06_02

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抄録

 箱根は東京から西へ約100 km,車や鉄道を利用すると2時間程度で到着できる観光地である.大涌谷は,年間300万人の来客があるとされる箱根を代表する観光スポットであるとともに,箱根火山最大の噴気地帯で,2015年噴火はここで発生した.この写真で見えるいくつもの噴気は,この噴火で形成された噴気孔から噴出している.約3500年前に発生した最新のマグマ噴火後に何回か発生している大規模な水蒸気噴火もこの周辺で発生している.観光地が潜在的な噴火中心であることから,大涌谷における噴火予知は喫緊の課題である.写真は2015年噴火の噴出中心である谷地形としての大涌谷と(手前),観光地としての大涌谷(中程),およびをこの地のもうひとつの観光源である富士山(奥)を展望したものである.

(写真:宮下雄次 2021年4月26日撮影;説明:萬年一剛)

© 2021 公益社団法人 東京地学協会
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