地学雑誌
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背弧海盆の形成とオフィオライトの成因
木下 肇仲佐 ゆかり森尻 理恵富士原 敏也
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1995 年 104 巻 3 号 p. 392-407

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抄録

日本海の北部日本海盆の海上地磁気異常縞模様配列から, 海盆の形成年代を改めて推計した。この解析には, 従来の情報に加えて1989-1991年度の目露海域共同研究等によって得られた各種の地学的新情報を投入し, 日本海盆の地磁気による推定形成年代を13-24Maとした。一方房総半島南部に露出するオフィオライト岩体の地磁気探査から, 地震波速度構造等を参考にして, 地磁気による地殻構造モデルを作った。この帯は従来より, 日本海, 四国海盆形成にほぼ同期して発生したとする説があり, テクトニクス的に目本海や四国海盆形成とこのオフィオライト帯形成の関連に興味がもたれている。筆者らは沈み込み付加帯下地殻の磁気構造と減衰, 並びに海洋底基盤岩層の磁気的特性の研究をおこなってきた。本論説の内容はその延長である。但し日本海と日本南部のオフィオライト形成の時間ウィンドウについては嶺岡山帯の形成時間の決定不足もあり, 今回の議論では完全に絞り込めたとは言えない。やや問題提起も含めて, 成果の総論を示す。

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