地学雑誌
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岩石磁気学と古環境・古気候の研究
山崎 俊嗣
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1996 年 105 巻 2 号 p. 248-249

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抄録

岩石磁気学は, 元々は古地磁気学の基礎として, 磁性鉱物の物性や, 岩石・堆積物の磁化獲得機構などを研究対象とする地味な研究分野であった。地球環境問題の顕在化とともに, 岩石磁気学の手法を用いて堆積物・堆積岩から古環境や古気候の情報を得ようとする, 「環境岩石磁気学」という新しい分野が発展しつつある。堆積物には微量ではあるが普遍的に磁性鉱物が含まれ, その起源, 運搬過程, 堆積時およびその後の環境を反映して磁性鉱物の種類, 量, 粒径, 結晶形態などが変化することを利用するものである。最近の研究例として, 約250万年前の古気候イベント, すなわち北極氷床が発達し地球の寒冷化, 乾燥化が進んだ時期に関連する次の3つを紹介する。

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