地学雑誌
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琉球列島の河川陸封コエビ類とサワガニ類の起源論
諸喜田 茂充
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1996 年 105 巻 3 号 p. 343-353

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抄録

琉球列島を中心に東アジアの河川陸封コエビ類とサワガニ類の成り立ちや起源論について, 地理的分布・生活史・種間交雑・電気泳動法等から考察した。陸封コエビ類は北琉球や中琉球を除く大陸島や大陸に分布し, 南琉球産の3種の近縁種が台湾島や大陸に分布していることから, 大陸と陸続きの頃 (約100万年前) に移住したことが推測された。
東アジアのサワガニ類の成立過程について仮説を提示し, 中琉球の固有サワガニ類 (8種) は属レベルで大陸とは異なることから, 琉球列島が大陸東縁に位置していた頃から分布し, 島嶼に隔離されることによって古種が保存され, ある種は島嶼特化が起こったと推定された。比較的新しい陸橋による中琉球への純淡水動物の移動・分散は, 少なくとも2つの水路あるいは海峡のバリアで不可能であったと推察された。

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