地学雑誌
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北四國の地盤沈下
南海地震に伴う地盤運動とその影響
小笠原 義勝
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1949 年 58 巻 6-7 号 p. 224-231

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抄録

南海地震後の四國の地盤沈下は新聞やラジオでしばしば傳えられたが, 筆者は渡辺光氏と共に大藏省塩脳部からの地理調査所に対する依頼に基き, この問題を昭和23年4月に1箇月に亘つて現地調査した。その量はマイナス30~50cm位であつて, 潮汐による海面の昇降より遙かに小さいから, 海岸でも平素からこのよ5なこどによほど関心のあった入でも気づかなかつたし, 内陸ではもちろん感知しえなかつた。しかしこの程度に微少な地盤の変動も, 実は我々の生活に直接間接に影響を及ぼすところが少くない。從つてこの種の問題は從來純粹に物理学的な面からのみとりあげられていたが, こゝではそれを單に純自然科学的な問題としてでなく, 広く社会生活に関連のある問題として取り扱うこと玉する。すなわちまず地盤沈下による被害の種々相をつまびらかにし, つ.いで各地の沈下量, 沈下の進行とその原因をのべ, かたがたこれらの調査研究の社会的意義を明らかにする。南海地震直前から昭和23年4月までの四國沿岸の地盤運動量を調査した結果は図のよ5で, 北四國では沈下量は最大55cm, その傾斜は最大10-5である。この程度の地盤変動, とくにかように波長の長い地盤変動は内陸では全く問題にならないのであるが, 海岸では次のような様々の被害が現われたのである。

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