1987 年 96 巻 5 号 p. 328-332
目的;教育・研究の立場から地学上重要な露頭を保存するための基礎資料を収集・整理する。方法;大学・県教育委員会・地方自治体博物館などの機関に, (1) 和達会長からの依頼状 (資料1), (2) 申請者からの依頼状, (3) アンケート回答用紙 (資料2) を数段階に分けて発送した。
当初, 大学約100機関に2回にかけて依頼したところ, 12月中旬までに29機関からの回答を得たが項目ならびに地域に偏りがみられたため, 県教育委員会46, 博物館38及び若干の大学に追加依頼をした。その結果3月中旬までに, 県教育委員会17・博物館12・大学3の機関から回答が寄せられた。
現時点の回答率は大学関係32%, 県教育委員会40%, 博物館32%である。ただし回答されたなかには「該当なし」や「回答不能」なども含まれている。
結果;アンケート用紙に記された回答結果はデーターカードに転記後, 集計・表化したが, 露頭総数205件 (地域分布と共に第1図に示す) に及び, A4版42頁の資料集 (地学協会宛提出済) となった。
まだ分野及び地域の偏りが解消されたわけでなく, 目下, これらのアンバランスをうめるべく検討中である。
回答のあった総数205件の露頭を分野別に重要性の順位から評価 (例えばA・B・Cといった等級別に分類) する作業も進められているが, この作業には申請者以外の専門家の参加の必要を痛感している。
因みに寄せられた回答をいくつかの異なる基準に従って分類・分析すると第1表の如くなる。1露頭で複数の項目にわたることがあるので, 露頭総数と各項目の件数の合計は必ずしも一致しない。