本研究では,廃石膏ボード由来再生二水石膏,半水石膏,無水石膏の添加・混合にともなう含水比の低減効果を定量的に評価するために,石灰安定処理に関する既存の知見を基にして石膏安定処理土の含水比推定式を提案した。得られた結果より,石膏の形態変化を考慮に入れた石膏安定処理土の「真の含水比」推定式と含水比試験を行った場合の石膏安定処理土の「見掛けの含水比」推定式とは異なることが明らかとなった。また,得られた推定式を基にして計算を行ったところ,石膏安定処理土において「見掛けの含水比」は「真の含水比」よりも大きく,これより,「土の含水比試験方法(JIS A 1203: 2009)」を行うことによって石膏安定処理土の含水比低減効果を過小評価している可能性が高いことが明らかとなった。