地盤工学ジャーナル
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論文
砂質模型斜面上の異なる位置における変位と地下水位のモニタリングに基づく表層崩壊発生時刻の予測
笹原 克夫石澤 友浩
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2016 年 11 巻 1 号 p. 69-83

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抄録

降雨による表層崩壊発生予測のためのモニタリングにおいて,斜面上のどこで計測を行うかという問題は重要である。これを検討するために,砂質模型斜面に一定強度で散水を行い,斜面下端から異なる位置において地下水位と地表面変位の関係の計測を行った。その結果,地下水位が発生しない個所では地表面変位が進行しないこと,そして地表面変位は地下水位の発生とともに顕著に進行することが判明し,両者の関係は双曲線関係で表せることが判明した。また斜面下端から遠くなるほど,両者の関係において地表面変位が大きくなり,かつ地下水位の最大値が小さくなることが分かった。崩壊発生前の任意の時刻までの計測データから,「地下水位~地表面変位」の回帰式と「時間~地下水位」の回帰式を作成し,それらを組み合わせて「時間~地表面変位」の,そして「時間~地表面変位速度の逆数」の予測式を作成し,崩壊発生時刻の予測を行った。すると地表面変位の計測値が,崩壊時の地表面変位の40%になる時刻までの計測値を用いて予測式を作成すれば,いずれの位置においても60秒以内の誤差で崩壊発生時刻の予測が可能であった。

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© 2016 公益社団法人 地盤工学会
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