降雨や地震に対する既設盛土斜面の抵抗力を補強するため,小径羽根付き鋼管を用いた工法を開発している。その補強効果を明らかにすることを目的として,鋼管で補強した実大の試験盛土を構築した。試験盛土の長期的な観測を行い,観測期間中に台風による連続雨量200mmの降雨強度を受けても,斜面は安定を保っていることを確認した。小径羽根付き鋼管の引抜き試験を行い,羽根による所定の引抜き抵抗力が期待できることを確認した。無補強の斜面と鋼管で補強した斜面の両者で掘削による除荷実験とその解析を行い,両者の地盤挙動の違いから鋼管の補強効果について考察した。