我が国において,都心部における土地有効利用の面から汚染地盤を修復して再利用することが重要な課題となっている。汚染地盤を修復する方法は各種存在するが,それぞれの手法において浄化可能な汚染物質や適用範囲が異なる。修復作業においては,適した工法を選択することで環境負荷と経済性に優れた浄化工事が可能となるため,その計画ではそれぞれの特徴や特性を把握することが必要である。本研究では,筆者らが開発した熱脱着処理による土壌浄化システムを実地盤の汚染土壌の浄化工事に対して適用し,その浄化特性と浄化機構を明らかにした。また,熱脱着処理による複合汚染や重金属汚染への適用範囲の拡大の可能性についての検討を行った。