地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
管渠の破損条件と水の流入出条件に着目した下水道管渠周辺地盤のゆるみ・空洞進展特性の解明
熊野 直子椋木 俊文大谷 順
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2016 年 11 巻 4 号 p. 295-304

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抄録

破損した下水道管渠において,降雨などで下水道管渠内部の水位が上昇し周辺地盤に漏水した後,管渠内部の水位が下降する際に周辺地盤の土砂を巻き込んだ水が管渠内部へ排出する。この水の流入出の繰り返しによって,管渠周辺地盤が侵食され低密度領域が発生・進展した結果,道路陥没が助長されることがこれまでの研究にて実証されているが,これらの低密度領域の進展機構の解明に至ってない。本研究の目的は,実現象を想定した実験条件下にて,一連の破損下水道管渠に起因する地盤空洞化の解明である。ここでは,下水道管渠の異なる数の破損部から水が周辺地盤へ流入出する場合,また,1回当たりの水周辺地盤への漏水量(流入量)が異なる場合を想定し,X線CTを併用した模型実験を実施した。そして,その結果,低密度領域の進行過程を3次元で可視化することで,進展機構の評価を行った。

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© 2016 公益社団法人 地盤工学会
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