2016 年 11 巻 4 号 p. 305-313
キャピラリーバリア(以下CB)は,砂層とその下部に礫層を重ねた土層構造であり,浸出水を抑制するための降雨浸透制御技術の一つとして利用されている。CB地盤を設計する重要なパラメータとなるのが限界長であるが,実験結果との整合性の高い限界長推定式が用いられている。しかし,この推定式は2層CB地盤を対象にしており,また上部土層の層厚の影響は考慮されていない。本論文では,覆土を有する3層CB地盤の実用化に資する設計手法を確立するために,上部土層の層厚が降雨浸透制御機能に及ぼす影響を定量評価するとともに,3層CB地盤に対する限界長推定式の適用方法を明らかにした。