戸建住宅の地盤調査では,事前調査およびスウェーデン式サウンディング試験を主とした原位置試験を行うのが一般的である。圧密沈下を検討する場合は,一般に固定ピストン式シンウォールサンプラー(固定式)により採取した試料を用いて圧密試験を実施することが望ましいが,経済的な理由により実施されることは少ないのが実状である。本論文では,提案する簡易的サンプリング手法で採取した品質良好な試料から,設計に必要な土質試験結果を得て,設計業務を行うことが一般的になることを目指し,複数の宅地にて3種類のサンプリング方法で採取した試料を用いて実施した土質試験結果を比較し,その品質評価から有用性について検討した。その結果,固定式と同等以上に乱れの少ない品質良好な試料が採取できる経済的で簡便なサンプリング手法であることを示した。