露天掘り鉱山では,斜面法尻の掘削中に斜面の弱体化による地すべり事故が問題となっている。タイのメモ鉱山では作業途中の斜面崩壊への対策として,崩壊を短時間遅らせるための抑止杭による一時的な補強が試行されている。掘削作業の効率性・安全性を向上させるためにも,法尻掘削の破壊に対して,抑止杭を設置する上での,効果的な抑止杭の配置に関して検討を加えることが課題として残されている。そこで本研究では,抑止杭の配置や杭の効果が斜面崩壊にもたらす影響について,法尻掘削における斜面の物理模型実験を実施しさらに画像分析を用いて検討し,杭の斜面崩壊にもたらす基本的な特性を明らかにした。