平成30年北海道胆振東部地震では,札幌市清田区里塚地区の火山灰造成宅地において液状化による大規模な地盤災害が発生した。液状化した火山灰質土は,緩勾配の地盤中を流動し,造成地末端部から噴出し,地表では最大4 m程度沈下した。同様な現象は,2003年十勝沖地震で北見市近郊の端野町協和地区においても発生している。本報告では,液状化土が傾斜地末端部から流出するという特異な液状化被害が発生したメカニズムを探るために,両地点の地形や流出・盛土材料の物理的性質,液状化特性等の比較を行った。その結果,両地点の旧地形や被災状況は非常に類似していることがわかった。また,里塚地区で盛土された火山灰質土の液状化抵抗は,北海道内の他の火山灰質土に比較しても非常に低く,液状化しやすい材料であることがわかった。