2020 年 15 巻 1 号 p. 67-79
東日本大震災では東京湾岸の埋立地で液状化による被害が生じた。筆者らは,震災後に深刻な被害を受けた浦安市入船4丁目にて,液状化による戸建て住宅の被害メカニズムを解明する目的で詳細な地盤調査を実施した。調査内容は,標準貫入試験,PS検層,地下水位測定,連続的に採取した乱れの少ない試料に対する室内土質試験(物理特性,液状化試験)である。本報では,連続的に採取した乱れの少ない試料から得られた液状化強度比の深度分布やそれらの各深度・各供試体のエネルギー特性の特徴を述べ,当該地における種々な液状化判定(有効応力,応力法(FL法),エネルギー法)の特徴を現地調査やアンケート調査などから得られた被害の実態と比較することで評価した。