地盤工学ジャーナル
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ISSN-L : 1880-6341
論文
直接基礎と杭の併用基礎の支持特性に関する実験的考察
有木 高明玉手 聡堀 智仁
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2020 年 15 巻 2 号 p. 295-310

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抄録

直接基礎と杭及びこれらの併用基礎(以下,PR基礎と称す)の緩い砂地盤と粘性土地盤を対象とした単層地盤での支持力実験の結果から,PR基礎の支持特性を検討した。その結果,パイルをラフトの中央に配置したPR基礎のラフトとパイルとの相互作用の影響度合いを,直接基礎とラフト,杭とパイルで比較すると,ラフトに比べてパイルでの支持力増加効果が大きく,その効果は緩い砂地盤で顕著となることがわかった。PR基礎ではパイルの支持力が付加されることにより沈下抑制効果が得られるがラフトに与える影響は地盤によって異なり,緩い砂地盤では進行性破壊が抑制されてラフトの支持力度が低下,粘性土地盤では圧縮量が抑制されてラフトの支持力度が増加していると考えられる。特に,緩い砂地盤でラフト短辺幅よりもパイル長が短い場合にPR基礎の支持力度が直接基礎の支持力度を下回る一因にはこの影響が挙げられる。一方,パイルの支持力増加効果の主因はラフトの接触応力が作用することによって生じるパイルの拘束圧増加で説明でき,その影響範囲はラフト短辺幅の概ね2倍の深度と推測された。

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© 2020, 公益社団法人 地盤工学会
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