2020 年 15 巻 2 号 p. 383-393
既存杭の引抜き工では既存杭の残置,周辺地盤の沈下ならびに跡地利用時の地盤環境の悪化等,様々な問題が生じている。しかしながら,既存杭の引抜き後に形成される引抜孔に注入される充填材や引抜き工法そのものに何も規定がない。そこで本研究では,既存杭の引抜き工法のひとつである杭先端チャッキング式引抜き工法(パワーチャッキング工法;PG工法)について,MPS-CAEを用いて視覚的かつ定量的に特徴づけることによって当該工法の評価を行った。その結果,PG工法による既存杭引抜き工のシミュレーションを事前に行うことができるようになり,目標強度にあった充填材量の選択を行うことができるようになった。