地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
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直径120cmのサンドドレーンで改良した粘土地盤における攪乱の影響に関する検討
高岡 慶人岡村 郁耶土田 孝許 博皓嘉屋 健二
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2020 年 15 巻 2 号 p. 405-418

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抄録

わが国では需要の減少により海上打設用のサンドドレーン船が消滅し,サンドコンパクションパイル(SCP)船でサンドドレーン(SD)を打設する場合がある。境港中野地区における岸壁整備では沖積粘土層を対象にSCP船によるSD打設が実施されたが,予測沈下に対して実測沈下に遅れが生じた。これは通常のSDより大きい120cmの杭径を用いたため地盤内に攪乱が生じ,水平方向圧密係数chが設計に使用された鉛直方向圧密係数cvより低下したためと考えられた。本研究では施工現場の実測データによる解析と室内試験から地盤撹乱による圧密係数の低下について検討を行った。その結果,杭径が通常のドレーン径より大きい場合,水平方向圧密係数として室内試験で求めた鉛直方向圧密係数を用いる従来の設計は沈下速度を過大に評価する可能性があることがわかった。

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© 2020, 公益社団法人 地盤工学会
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