地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
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論文
ダム基礎のカーテングラウチングの非超過確率評価に関する一考察
岸 裕和小林 薫谷中 保男
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2020 年 15 巻 3 号 p. 581-598

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抄録

ダム基礎のカーテングラウチングは基礎岩盤の水理学・力学的安定性確保のために必要であり,合理的な施工にはグラウチングの改良効果の適切な評価が重要である。これには主にルジオン値の改良目標値に関する非超過確率が用いられ,従来では規定孔と追加孔の次数毎に評価されてきた。施工範囲に均等配置される規定孔の非超過確率は施工範囲全体の改良効果を表すが,追加孔については施工範囲全体の改良効果を表さない。しかし,追加孔の非超過確率が最終的な改良効果の指標とされる事例が多くある。この改善には規定孔と追加孔を総合した非超過確率の評価方法が必要である。筆者らは,施工範囲全体の面積に対する改良された領域の面積割合による非超過確率の評価方法を構築し,これに基づき追加孔合理化の判断を支援する方法を示した。これらの有効性は,国内ダムサイトのカーテングラウチング工事で確認された。

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© 2020, 公益社団法人 地盤工学会
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