2020 年 15 巻 3 号 p. 653-663
土壌について地盤工学の見地からみると,不確実・不均質なものである。そのため,例えば精密な試験無しに土質区分の判定等を行おうとすると,一定の経験が求められる,判断に個人差が現れる等といったことが起こり得る。これら知見の継承と経験に影響されやすいという背景を受けて,本研究は技術者の知見を蓄積して継承するため,また個人差がでやすい現場判断に一定の指標を与えるため,地盤工学分野での人工知能(AI)の利用場面を拡大することを目的として機械学習を用いた人工知能による画像認識の可能性について示すものである。本研究ではニューラルネットワークを用いたモデルで簡易的な深層学習を行い,土質区分判定に深層学習を行ったAIを適用できることを示した。