港湾工事で発生する浚渫土砂の有効利用技術であるカルシア改質土について,工事における強度管理を目的とした品質管理として,浚渫土砂から溶出するシリカ成分とカルシア改質材から溶出するカルシウム成分の定量試験法を提案した。カルシア改質材から溶出するカルシウム量の測定法として,環境庁告示第 46号で定められている溶出試験方法を改良し,溶媒を人工海水に,試料を有姿の粒度分布に,振とう時間を30 分間へ変更する方法を提案した。浚渫土砂から溶出するシリカ量の測定法は,試料を水中で 7 分程度撹拌して検液を作製する方法を提案した。これらの溶出結果と,6 種類のカルシア改質材と 15 種類の浚渫土砂の一軸圧縮強さを比較分析した結果,提案した方法で得られた溶出値によって強度発現を予測することができ,実工事における強度管理の 1 次判断指標として適用しうることを示した。