2024 年 19 巻 1 号 p. 89-100
本研究は,秋田県雄物川中流域の強首,九升田,刈和野,大曲の 4 地区において過去の洪水災害履歴を解き明かし,今後発生し得る大規模災害の予測に役立てることを最終的な目的としている。近世の古文書や地域に残存する災害史および生活史の調査結果から調査フィールドを選定し,ハンディジオスライサーを用いた地層調査を行った。採取したコアや炭化物に対して,粒度試験,含水比試験,顕微鏡観察および放射性炭素年代測定を実施した。その結果,各地区において過去に発生した洪水痕跡の特徴を有する層を複数確認することができた。