バイオカバーソイルとは,バイオグラウト工法を応用して最終処分場内で供給可能なカルシウム源と土壌中の微生物代謝で発生する二酸化炭素によって覆土内において炭酸カルシウムを析出させ,既存の覆土よりも透水性の低下と強度増加を見込んだ新しい覆土材料である。本研究では,最終処分場におけるバイオカバーソイルの生成を想定して,pH環境と有機栄養源をパラメーターとしたバイオグラウトの生成実験を実施し,各条件における炭酸カルシウムの析出状況を考察した。その結果,バイオカバーソイルの生成には溶媒あるいは母材にpHの緩衝能力が不可欠であること,有機栄養源は分子構造が単純なものであれば24時間以内で分解され,炭酸カルシウムの析出反応が終了することが明らかとなった。また,バイオカバーソイルの一軸圧縮強度は供試体の乾燥が促進すると生成直後の強度に対し最大20倍の強度が得られ,透水係数は少なくとも10分の1に低下することが明らかとなった。