地震被害想定調査等に用いられる地震応答解析の高精度化を目的として,関東地方の5都県の95地点,482試料の繰返し変形特性データを収集し,地質年代と堆積環境に基づき26に分類し,繰返し変形特性に与える支配要因について整理した。その結果,以下の結論を得た。対象とした試料全体を見ると,地質年代・堆積環境,塑性指数,拘束圧のいずれもが繰返し変形特性に影響を与える。また,埋土,沖積土,洪積土の順に塑性化しやすい。つぎに砂質土では,拘束圧の影響が一番大きい。粘性土では,地質年代・堆積環境の影響は砂質土より大きい,塑性指数が30未満では拘束圧の影響は大きいが30以上では拘束圧の影響は小さい,塑性指数が小さいほど非線形化が起こりやすいなどの傾向がある。最後に,地質年代・堆積環境の影響は小さいとしてこれを無視し,拘束圧および塑性指数により土の繰返し変形特性をまとめた。