地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
リン酸カルシウム化合物を用いた新しい地盤注入材に関する基礎的研究
−アンモニア供給源および土壌微生物の添加が供試体の一軸圧縮強さに及ぼす影響−
秋山 克川﨑 了青井 標野
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2011 年 6 巻 4 号 p. 513-524

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抄録

リン酸カルシウム化合物を利用した新たなバイオグラウトを開発することを目的として,土壌微生物を用いたアンモニア生成によるpH上昇試験,ならびに,微生物を含む土壌抽出水と4種類のアンモニア供給源およびリン酸カルシウム化合物で作製した豊浦砂供試体の一軸圧縮試験を行った。アンモニア供給源の添加によって,土壌を含む水溶液でpHが経時的に上昇し,溶液中にアンモニアが検出された。また,土壌からは,アンモニア供給源を分解する微生物が検出された。豊浦砂,土壌抽出水およびリン酸カルシウム化合物で作製した供試体の一軸圧縮強さは,アンモニア供給源の添加により,無添加の場合と比較して概ねすべての供試体で向上する傾向が認められた。特に,カルシウム源として酢酸カルシウムを用いた場合,アンモニア供給源が無添加の場合の平均値42.9kPaから,添加によって最大57.6kPaに向上するケースが認められた。本研究の結果から,アンモニア供給源ならびに地盤中の土壌微生物を利用して地盤の固化効果が期待できるリン酸カルシウム化合物の新たなバイオグラウトとしての利用可能性が示された。

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© 2011 公益社団法人 地盤工学会
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