2012 年 7 巻 1 号 p. 219-229
東北地方太平洋沖地震によって崩壊した仙台城石垣の崩壊部と非崩壊部の断面状態を,空油圧制御による載荷方式の全自動新型スウェーデン式サウンディング試験機(NSWS)を用いて調査し,考察を加えた。NSWSは従来のスウェーデン式サウンディング試験機(SWS試験)に比べ,斜め方向貫入が可能で,また掘進能力を高めた試験機である。調査結果として,崩壊部および非崩壊部測線の石垣裏込め部および石垣前面における盛土と地山の境界線が特定された。また,崩壊部と非崩壊部との相違が明確になり,石垣裏込め土部分の硬さ,石垣前面の石垣対面側の地形に起因する盛土厚さが崩壊に影響していることがわかった。