港湾の浚渫土を原料土とするセメント固化処理土に関する強度推定式を提案した。提案式はセメント硬化体の強度理論であるゲル空隙比説と類似性があり,セメント処理土の強度はセメントを含めた体積固体分率,セメントによる強度増加係数,セメント処理土の間隙構造が強度に及ぼす効果を示す定数N,固体分全体に対するセメントの質量比率で与えられる。提案式をわが国の6箇所の海成粘土を用いた配合試験結果に適用した結果,Nの値を3.5~4.5の範囲で設定することにより高い相関係数で強度を予測できた。浚渫粘土を用いた気泡混合処理土と発泡ビーズ混合処理土の強度に関しても,Nを2.1~2.5の範囲で設定することで適用できることがわかった。