本研究は, 食器と食物との関連についての諸外国と日本の研究動向を, 文化的影響を含めて比較することを目的とした.
研究方法は, 文献レビューによって得られた対象研究47件について, 1) 研究目的および主な調査項目, 2) 食器の検討要素, 3) 食器の提示方法に関して分類し比較を行った. 主な結果は次のとおりである.
1) 研究目的および主な調査項目については, 諸外国の研究では, 食器と「食物・食事の量」との関連の検討を目的とした研究が多かった. これは, 国際的な肥満者の増加の問題が背景にある. 日本の研究では, 食器と「食物・食事の質」との関連の検討を目的とした研究が多く, 特に「食欲」「おいしさ」について外観だけで調査したものが多かった.
2) 食器の検討要素については, 諸外国の研究では食器の「サイズ」と「食物・食事の量」との関連を検討した研究が特に多く, 日本の研究では食器の「色」と「食物・食事の質」との関連を検討した研究が特に多かった. また, 他の日本の研究の食器の検討要素には, 和食の文化的特徴が表れていた.
3) 食器の提示方法については, 諸外国の研究では, 「実物」が大半を占めたのに対し, 日本の研究では, 「写真/画像」が多かった.
考察として, 諸外国と日本における食器と食物との関連についての研究目的および方法は, 社会的・文化的な影響を受け, 異なることが示唆された.