日本家政学会誌
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学習場所と家族の存在が子どもの学習動機づけに及ぼす効果
西尾 幸一郎西村 もえぎ黒光 貴峰
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2019 年 70 巻 5 号 p. 266-273

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抄録

 本研究の目的は, 学習場所と家族の存在が子どもの学習動機づけに及ぼす効果を明らかにすることである. 主な結果は以下の通りである.

 (1) 男女ともに8割以上の児童が子ども部屋を保有しているが, 約半数の児童は家庭での学習場所としてリビングやダイニングを選択している. また, いずれの場所においても, 7割以上の児童が保護者やきょうだいなどの家族の存在を感じながら学習している.

 (2) リビングやダイニングでの学習については, 子どもが学習している時に家族の存在がいつもあることで自律的な学習動機づけは高くなり, 他律的な学習動機づけは低くなる. また, 女子のリビングやダイニングでの自律的な学習動機づけは男子と比べて低く, 子ども部屋での学習と比べても低い傾向がみられる.

 (3) 子ども部屋での学習については, 子どもが学習している時に家族の存在がいつもあることで自律的な学習動機づけは低くなり, 他律的な学習動機づけは高くなる傾向がみられる.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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