日本家政学会誌
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育児期女性のキャリア選択の希望とQOLとの関連
飯田 麻衣子園田 菜摘
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2020 年 71 巻 12 号 p. 775-782

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抄録

 本研究は育児期女性のキャリア選択の希望がQOL (Quality of Life) にどのように関連するかについて, 就労形態と自尊感情を含めて検討することを目的とした. 研究対象者は3歳~6歳児を持つ育児期女性245名で, キャリア選択の希望実現, 自尊感情, QOLについての質問紙調査を行った. キャリア選択の希望実現については, 妊娠・出産時 (過去) と子育てがひと段落する頃 (将来) のことについて尋ねた.

 その結果, 自尊感情が低いフルタイムの女性, および自尊感情が高い専業主婦の女性の場合, 将来, キャリア選択の希望が叶いそうだと思う女性の方が, 叶いそうにないと思う女性よりも『日常生活への満足感』が高かった. また, 自尊感情が高い女性の方が低い女性よりも『家庭への情緒的満足感』が高く, フルタイムの女性の方が専業主婦の女性よりも『家庭への情緒的満足感』が高かった. さらに, パートタイムの女性と専業主婦の女性の方が, フルタイムの女性よりも『園における対人関係の満足感』が高かった.

 本研究では, 育児期女性のキャリア選択の希望がQOLをどのように規定するかは就労形態によって異なり, フルタイムの女性と専業主婦の女性にとっては, 過去のキャリア選択の希望が実現したかどうかよりも, 将来のキャリア選択の希望が叶いそうだと期待することが, 日常生活への満足感を高める重要な要因である可能性が示唆される.

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© 2020 一般社団法人 日本家政学会
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