日本家政学会誌
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偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析
灰藤 友理子山川 佳那子小瀬 千晶吉野 世美子米浪 直子
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キーワード: 偏食, 幼稚園児, 朝食, 野菜, 海藻
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2021 年 72 巻 4 号 p. 187-196

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抄録

 幼児期は最も成長・発達が著しく, 基本的な生活習慣を確立する上で重要な時期である. 幼児における食習慣の問題の一つに偏食が取り上げられることが多い. 本研究では幼稚園での食育に活用するために, パス解析により園児の偏食に関する因果モデルを構築し, 偏食の要因を明らかにすることを目的とした. 幼稚園児の保護者580名を対象に, 園児の生活状況や食習慣に関する質問紙調査を実施した. 有効回答は408名で, 回収率は70.3%であった. 園児の嫌いな食品は野菜類, 海藻類, 魚介類, 牛乳・乳製品の順で多かった. 園児の偏食に関するパス解析により因果モデルを構築し, 『食事の楽しさ』や『食欲旺盛』, 『野菜・海藻 嗜好性』, 「朝食の食品数」が, 「嫌いな食品が多い」に対して負の関連を示すことを明らかにした. 結論として, 食事の楽しさを通して食欲を亢進すること, 朝食の食品数を増やすことが園児の偏食軽減につながる可能性がある.

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© 2021 一般社団法人 日本家政学会
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