日本家政学会誌
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大学生における2因子モデルに基づく「母性愛」信奉傾向の測定
―性別および保育者養成課程の学生と他専攻学生の比較―
扇原 貴志
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2022 年 73 巻 10 号 p. 597-603

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抄録

 従来, 「母性愛」信奉傾向は育児中の父母を対象に研究されることが多く, 大学生における「母性愛」信奉傾向は十分に検討されてこなかった. 「母性愛」信奉傾向尺度は, 1因子モデルと2因子モデルの2つが提唱されているが, 大学生において, どちらのモデルが妥当であるかは未検討であった. そこで本研究では, 大学生を対象に「母性愛」信奉傾向尺度への回答を求め, 1因子モデルと2因子モデルのどちらが妥当であるか検討し, その男女差と専攻差を明らかにすることを目的とした. 大学生661名を対象に調査を実施した. 確認的因子分析の結果, 2因子モデルの方が適合度指標は良好であり, 大学生においても2因子モデルで「母性愛」信奉傾向を測定することが妥当であることが示された. 2要因分散分析の結果, 「女性による子育ての正当化」において, 保育を専攻する学生よりもその他の学問を専攻する学生の方が得点は高かった. 「母親の愛情の神聖視」では, 男性よりも女性の方が得点は高かった. 以上より, 大学生における「母性愛」信奉傾向の基礎的資料を得られたといえる.

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会
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