日本家政学会誌
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pH調整や細菌汚染の低減といった現実的方策によりにぎり飯及び米飯中の黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA産生は効果的に抑制された
筒浦 さとみ西海 理之村田 容常
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2022 年 73 巻 3 号 p. 136-148

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抄録

 本研究では, 実用的な手段を使用してにぎり飯または米飯における黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA (SEA) の産生を抑制することを目的とし, 黄色ブドウ球菌の増殖とSEAの産生に対する初発菌数及びpH調整の影響を調べた. 複数の黄色ブドウ球菌SEA産生株をにぎり飯または米飯にそれぞれ接種して保存し, 菌数とSEA産生量を測定した. 15~37℃で保存した際にはにぎり飯と米飯のSEA産生量に差がなかった. 保存初期には, pH 4.0及びpH 4.5に調整した米飯ではSEA産生が抑制された. 菌による初期汚染の減少とpH調整により米飯保存時の黄色ブドウ球菌の増殖とSEAの産生を効果的に抑制できることが示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会
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