2023 年 74 巻 5 号 p. 233-241
本研究では, 筆者らが開発した子ども用の「おこづかいちょう」を用いて, 小学6年生25人に約半年間の記入実践を実施し, 「おこづかいちょう」記入による児童への効果を分析した. この結果, 「おこづかいちょう」の継続記入により, 児童はお金への関心を持ち続け, お手伝いの回数も多く, お金に対して現状把握ができ, 今後気をつけたいこととして様々な視点からお金に関して考えることができるようになった. これらの点は既存研究の短期間で見られた効果と同様であったことから, 長期に記入期間が延びても同じ傾向が見られることが分かった. 「おうちの人からの一言」の有無によるグループでは関係性は見られなかった. この調査を機に小遣い制に変更した保護者もおり, 約5ヶ月間に「児童の変化」を認識していたことが明らかとなった.