家政学雑誌
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共働き家庭と非共働き家庭の夫妻の疲労自覚症状
-生活時間構造との関連で-
桑田 百代伊藤 セツ大竹 美登利
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1977 年 28 巻 6 号 p. 446-449

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抄録

以上, 疲労自覚症状調査を生活時間とのかかわりで検討してきたが, 生活時間の上からみても, 共働き家庭では妻の労働負担によって家庭が維持されており, それは集約的に疲労の自覚症状となって反映されている.特に乳幼児をかかえた共働き妻は平均年齢がいちばん若いにもかかわらずとびぬけて疲労訴え率が高いが, これはその妻の生活時間構造にみあうものである.
平日の訴え率は高い順に共働き妻, 夫, 非共働き夫, 妻で, この傾向は1967, 1971, 1975年の3回にわたる調査で同じである.全労働時間においても, 稲葉らの第1回の調査時点から, 共働き妻がいちばん多いことは変わらず, 19年を経過しても, 共働き妻は収入労働に家事労働の時間的負担が加わって, 疲れきった毎日を送っていることがわかる.
各群の訴え率は, 平日, 休日とも3回の調査を通じてA>C>B型であるが, 共働き妻のA群の訴え率は回を重ねるごとに朝夕の差が大きくなっている.また, 自律神経失調症状を表わすといわれるC群は, 平日, 休日とも朝夕の訴え率が増加している.

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