日本家政学会誌
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ズボン原型のくり幅
平面製図法における原型の形態因子 (第3報)
平沢 和子磯田 浩
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1987 年 38 巻 4 号 p. 301-309

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抄録
青年女子 (18~21歳), 老年女子 (65~75歳) おのおの50名を対象とし, 筆者が設定した平面製図における股ぐりの付与にかかわる形態因子について検討し, 次の結果を得た.
1) 青年女子のズボン原型のくり幅は腰部矢状径の80%をとると, 着装時には100%になることが図学的に説明でき, これを復元体によって確認した.
2) 1) の結論から腰部矢状径の80%をくり幅としたズボンを縫製し, 青年女子50名に着装させた実験では, 着装時のくり幅が100~118%に分布することが確かめられ, 推定寸法としては適当であり, かつ安全側であることがわかった.
3) 股ぐりをもつ原型 (キュロットスカート, ズボン) の股ぐり幅を定める基準寸法としては, 腰部最大矢状径をとる必要がある.しかし青年女子では腰部矢状径と腰部最大矢状径との差がほとんどないので, どちらをとっても結果は同じとなる.
4) 椅座位姿勢による股上の計測は, 正中縦断面図による計測値にくらべ小さい値となりやすい.とくに老年女子は顕著で, その第1の原因は背もたれのない椅座位姿勢と思われる.
5) 股ぐりを付与するには, 股上前後の長さは不可決の計測値であるが, この部位の計測は大変むずかしい.とくに老年の場合, この平均値は青年にくらべると4.8cm増加し, 腰囲の増加量にくらべ大きく分散も大きい.したがって股ぐりのある既製服は年齢による変化を考慮する必要がある.
老年女子の股上前後の長さは中腰囲との相関直線式による推定値を用いれぽ, かなりの一致をみることができる.その相関式は中腰囲をx, 股上前後の長さをyとして, y=0.48x+27.4 γ=0.77 (n=40) である.
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