日本家政学会誌
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生育段階の異なるギンナンデンプンの性質について
山下 安代杉本 温美不破 英次
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1990 年 41 巻 8 号 p. 723-732

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抄録

ギンナンをいくつかの生育段階で採取し, ギンナン中のデンプンの形態ならびに内乳および外種皮より調製したデンプンの性質について検討したところ, 次のような結果が得られた.
(1) ギンナンデンプンの最多粒は, 内乳の7月17日が6~8μm, それ以降の内乳および外種皮はいずれも10~20μmで, 生育による差は認められなかった.
(2) α-アミラーゼによる分解性は生育による変化はみられなかったが, 内乳よりも外種皮のほうが高い分解性を示した.分解残渣デンプンのSEM観察より, 内乳のデンプンでは中から穴があいて侵食されていくようすが, 外種皮では表面がはがされていくようすが観察できた.
(3) ギンナンデンプンの糊化開始温度は, フォトペーストグラフィーより内乳66.0~67.7℃, 外種皮59.3~59.7℃, DTAより内乳71.7~73.1℃, 外種皮64.3~65.0℃で, 内乳よりも外種皮のほうが糊化開始温度は低い傾向を示した.また, 内乳, 外種皮ともに生育による変化はほとんどみられなかった.
(4) 電流滴定, ヨード吸収曲線よりの青価ならびにゲルろ過法の結果, 内乳のデンプンでは, アミロース含量が生育初期に増加する傾向がみられた.
(5) X線回折図は, A図形からCa図形に変化した.

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