抄録
本研究では, 静立位の浴衣圧・それに対する官能評価・体型・浴衣の着崩れとの関係をSPEARMANの順位相関を用いて検討した.被験者は20~30歳代の成人女子5名であった.浴衣圧 (液圧平衡法を使用) は呼吸運動や動作などの様々な因子によって変化した.浴衣圧は主に腹部に発生していた.最も高い圧が計測されたのは帯の下層の, 浴衣と腰紐との問の水平面であった (静立位では10.7±9.7mmHg (14.6±13.2gf/cm2), 正座位では 18.9±10.8mmHg (25.7±14.7gf/cm2)).トップバストとアンダーバストの差が大きい被験者ほど, 胸元の着崩れ量が多かった.右脇線の着崩れ量は腰紐の締め方に依存した (20mmHg (27g /cm2) を超えないように, 腰紐をしめるべきである).胸元の着崩れ量が多い被験者ほど, 圧感覚 (締め感覚) の大きさは小さかった.